ウイスキーが好きで普段から飲んでいても「ウイスキーっていつからあるお酒?どんな歴史があるの?」と改めて問われると答えに迷ってしまうこともありますよね。
この記事ではウイスキーの歴史について、初心者の方にも分かりやすく紹介します。
第1章;ウイスキーのルーツは「錬金術」と「薬」?(紀元前~中世ヨーロッパ)
ウイスキーを作るのに欠かせない「蒸留(アルコールを濃縮する技術)」は、もともと紀元前のアラブ世界で錬金術師たちが香水や薬を作るために発明したものでした。
それが中世(12世紀ごろ)にヨーロッパへ伝わり、アイルランドやスコットランドの修道院で、麦からアルコール度数の高いお酒が作られるようになります。
当時の人々はこれを「命の水(ゲール語でウシュク・ベーハ)」と呼び、不老長寿の薬や、ペスト(感染症)の特効薬として飲んでいました。
この「ウシュク・ベーハ」がなまって、やがて「ウイスキー」と呼ばれるようになりました。この頃のウイスキーは樽で熟成させていないため、無色透明でした。
第2章;琥珀色の秘密は「税金逃れ」からの偶然!?(18世紀 スコットランド)
ウイスキーの歴史で一番面白いのがここです。
18世紀、スコットランドを支配したイングランド政府は、ウイスキーにものすごく高い税金をかけました。
困った農民たちは、山奥に隠れてコッソリとウイスキーを作り始めます(密造酒)。
そして、見つからないようにお酒を「シェリー酒の空き樽」に詰めて、洞窟などに隠しました。
数年後、「そろそろほとぼりが冷めたかな?」と樽を開けてみると……ビックリ!
無色透明だったお酒が、樽の成分を吸って美しい琥珀色になり、トゲトゲしさが消えてまろやかで甘い香りのお酒へと変化していたのです。
ウイスキーが樽で熟成されるようになったのは、計算されたものではなく「密造酒を隠すための偶然の産物」でした。
第3章;海を渡って「バーボン」が誕生(18世紀〜 アメリカ)
ヨーロッパからアメリカへ渡った移民たちも、故郷を思い出しウイスキーを作り始めます。
しかし、アメリカ大陸ではウイスキーの原料である「大麦」がうまく育ちませんでした。
そこで、現地でたくさんとれる「トウモロコシ」を使ってウイスキーを作ることにしました。さらに、内側を真っ黒に焦がした新しい樽でお酒を寝かせたところ、バニラのような甘い香りのするウイスキーが誕生しました。
これがアメリカを代表するウイスキー「バーボン」の始まりです。大麦がないならトウモロコシで作る、という開拓者精神から生まれました。
第4章;日本のウイスキーの夜明け(20世紀初頭 日本)
日本のウイスキーの歴史は、約100年前の2人の天才から始まります。
一人は、単身スコットランドに渡り、本場のウイスキー作りをノートに書き留めて持ち帰った竹鶴政孝(たけつる まさたか)。(※NHKドラマ『マッサン』のモデルです)
もう一人は、日本人の味覚に合うウイスキーを作ろうと情熱を燃やしたサントリーの創業者・鳥井信治郎(とりい しんじろう)。
1923年、この2人が協力して大阪の山崎に日本初のウイスキー蒸留所を作りました。その後、2人は別々の道を歩み、サントリーとニッカウヰスキーという2大メーカーが誕生します。
現在、日本のウイスキー(ジャパニーズ・ウイスキー)は、その繊細で豊かな味わいから、世界中で大ブームを巻き起こすほど高く評価されています。
まとめ
ウイスキーのグラスの中には、錬金術師の知恵、修道士の祈り、密造者たちの偶然の発見、そして海を渡った人々の情熱が詰まっています。
今度ウイスキーを飲むときは、ぜひその琥珀色を眺めながら、「昔の人が樽に隠してくれたおかげだな」と思い出してみてください。きっと、いつもより美味しく感じられるはずですよ!


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